ロブスターは老化しない——とよく言われる。
テロメラーゼを全細胞で生産し続け、理論上は「不老」。
では永遠に生きるのか? 答えは「脱皮で死ぬ」。
テロメラーゼを止めない
多くの生物は加齢とともにテロメア(染色体の端を保護する構造)が短くなり、やがて細胞が分裂できなくなる。これが「老化」だ。
ロブスターは全細胞でテロメラーゼ(テロメアを修復する酵素)を生産し続ける。テロメアが短くならないため、理論上は老化による機能低下が起きない。
歳をとるほど大きくなり、繁殖力も衰えない。「生物学的不老」と呼ばれるゆえんだ。
でも不死ではない。脱皮で死ぬ
ロブスターは甲殻類なので、成長するには脱皮が必要だ。体が大きくなるほど脱皮に必要なエネルギーが膨大になる。
やがて脱皮に必要なエネルギーが体力を超え、脱皮の途中で力尽きて死ぬ。または脱皮不全で殻が脱げず、感染症にかかって死ぬ。
推定では10〜15%のロブスターがこの「脱皮死」で命を落とす。老化はしないが、「成長し続けること自体」が死因になる。不老だが不死ではない。皮肉な設計だ。
最大記録:20kg、推定100歳超
1977年にカナダ・ノバスコシア州沖で捕獲されたアメリカンロブスターは、体重20.14kg、体長106cm。推定年齢は100歳以上。
通常のレストランで出てくるロブスターは400〜700gだから、その30〜50倍の重さだ。
200万分の1の青いロブスター
通常のロブスターは茹でると赤くなるが、生きているときは暗い緑褐色だ。ところがごく稀に鮮やかな青い個体が見つかる。確率は200万分の1。
さらに白いロブスターは1億分の1。遺伝的な色素異常で、見つかるとニュースになる。
まとめ:老化しない、でも脱皮で死ぬ
テロメラーゼを止めない「不老」の体。でも成長するたびに脱皮が必要で、やがて脱皮で死ぬ。
ロブスターは「老いない代わりに、大きくなりすぎて死ぬ」という、進化が用意した別の死に方を持つ生き物だ。


コメント