キーウィは鳥をやめた鳥——“名誉哺乳類”と呼ばれる理由がヤバすぎた

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キーウィって、なんでこんなに変なのか?

翼はわずか3センチ。
ヒゲが生えてる。
鼻の穴がくちばしの先端。
骨の中身は詰まってる。
体温は人間とほぼ同じ。

……ちょっと待って。これ、本当に鳥ですか?

あまりにも哺乳類すぎるこの鳥は、生物学者から「名誉哺乳類(honorary mammal)」と呼ばれています。

研究者が大真面目につけた、公式のあだ名です。

今日は、鳥のくせに哺乳類になりかけている鳥、キーウィの話を。

📌 この記事は3分で読めます

先に答え:キーウィが「鳥っぽくない」7つの理由

  • ① 鼻がくちばしの先端(鳥類1万種で唯一)
  • ② 猫みたいなヒゲが生えてる
  • ③ 骨の中身が詰まってる(鳥は普通スカスカ)
  • ④ 体温が人間とほぼ同じ37〜38度
  • ⑤ 卵が体重の20%(人間なら12kgの赤ちゃん)
  • ⑥ オスが80日間抱卵(飛べない鳥シリーズ最長)
  • フルーツのキウイの名前の元になった

鼻がくちばしの先端——鳥類1万種で唯一の異常配置

普通の鳥は根元。キーウィだけ先端

鳥のくちばしには、鼻の穴(鼻孔)があります。

ほぼすべての鳥は、くちばしの根元に鼻孔がついている。

でもキーウィだけは、くちばしの先端に鼻孔があるんです。

鳥類約1万種の中で、唯一。

なぜこんな場所にあるのか。

キーウィは地面に長いくちばしを突き刺して、土の中の虫やミミズを探します。

先端に鼻があれば、地中のにおいをダイレクトに嗅げる。

しかもキーウィの嗅覚は鳥類最強クラス。

脳の中の嗅球(においを処理する部分)が、鳥類で最も大きい。

鳥は普通、目で獲物を見つけます。

キーウィは鼻で獲物を嗅ぎ当てる。もう完全に哺乳類の狩り方です。

くちばしの先端で「振動」も感知する

さらにキーウィのくちばしの先端には、「感覚ピット」と呼ばれるセンサーがあります。

地中の虫が動く微細な振動を感知できる。

においで探して、振動で位置を特定する。

レーダーとソナーを同時に装備しているようなものです。

目に頼らず、鼻と振動で暗闇の地面から獲物を掘り出す。

もう鳥の狩りじゃない。モグラの狩りです。

ヒゲ、骨髄、体温——”名誉哺乳類”の証拠が多すぎる

くちばしの根元にヒゲが生えている

キーウィのくちばしの根元には、猫のヒゲのような毛が生えています。

「触毛(しょくもう)」と呼ばれる変形した羽毛で、猫のヒゲと同じ触覚センサーとして機能している。

夜行性で視力に頼れないキーウィにとって、このヒゲが暗闇での移動を助けています。

鳥なのにヒゲ。もう見た目の時点で、哺乳類寄りです。

骨の中身が詰まっている

鳥の骨は、中が空洞(中空骨)です。

飛ぶために体を軽くする必要があるから。これは鳥類の基本設計。

でもキーウィの骨には、中に骨髄が詰まっている。

飛ばないから、軽くする必要がない。だから哺乳類と同じ構造になった。

鳥類の基本設計を、根本から無視しています。

体温まで哺乳類に寄せてきた

普通の鳥の体温は39〜42度。高体温が鳥の特徴です。

でもキーウィの体温は37〜38度。人間とほぼ同じ。

ヒゲが生え、骨の中身が詰まり、体温まで哺乳類に寄せてきた。

「名誉哺乳類」と呼ばれるのも、もう納得しかない。

キーウィの姿
毛のような羽毛に覆われた姿。鳥というより小型哺乳類に見える

卵が体重の20%——人間なら12キロの赤ちゃんを産む計算

鳥類最大の「体に対する卵の比率」

キーウィのメスは体重約2〜3キロ。

そこから産まれる卵は、約300〜450グラム。

体重の15〜20%が卵です。

ちなみに鶏の卵は体重の約2%。桁が違います。

人間に換算すると、60キロの女性が12キロの赤ちゃんを産むようなもの。

……考えただけで痛い。

レントゲン写真が衝撃的

キーウィの産卵前のレントゲン写真を見ると、体内がほぼ卵で埋まっています。

内臓が圧迫されて、ほとんどスペースがない。

産卵前の約30日間、メスは通常の3倍の食事を取る必要がある。

全身のエネルギーを総動員して、体の5分の1を占める巨大な卵を作り上げる。

なぜこんなに大きい卵を産むのか。

卵が大きいぶん、ヒナは孵化した時点でほぼ自立できる状態で生まれてくる。

巨大な初期投資で、育児コストを下げる戦略です。

🦘 もっと変な鳥を読む|飛べない鳥シリーズへ

▶ 飛べない鳥20種まとめ|空を捨てた鳥たちの全貌

またイクメン——飛べない鳥シリーズおなじみの展開

飛べない鳥シリーズをここまで読んでくれた方、もう展開が読めますよね。

はい、またオスが温めます。

キーウィのオスは、約80日間も卵を温め続けます。

エミューの56日を超えて、飛べない鳥シリーズ最長記録更新です。

しかもキーウィは基本的に一夫一婦制で、ペアは最長20年以上続くこともある。

……ただし「離婚」もあります。

個体密度が高い地域では、パートナーを替えることも。

飛べない鳥界、メスの自由度が高すぎる問題はここでも健在です。

国の鳥、人の名前、フルーツの名前——全部「キーウィ」

ニュージーランド人は自分たちを「キーウィ」と呼ぶ

キーウィはニュージーランドの国鳥です。

そしてニュージーランド人は、自分たちのことを「キーウィ」と呼びます。

この呼び方の起源は第一次世界大戦。

ニュージーランド軍のバッジにキーウィが描かれていて、1917年頃から兵士のあだ名として定着。

戦後、国民全体に広がりました。

国鳥であり、国民の愛称でもある。

これほど国に愛された鳥も珍しい。

フルーツのキウイも鳥から名前をもらった

あの茶色くて毛深いフルーツ「キウイ」。

もともとは「チャイニーズ・グーズベリー(中国スグリ)」という名前でした。

1959年、ニュージーランドの輸出業者が「冷戦時代に”チャイニーズ”は売れない」と判断。

茶色くて丸くて毛深い見た目がキーウィに似ているということで、改名しました。

つまりフルーツのキウイは、鳥のキーウィから名前をもらっている。

鳥が先。フルーツが後。意外と知られていない事実です。

まとめ——鳥をやめた鳥。でも、それでいい

翼は3センチに退化。空は飛べない。

鼻はくちばしの先端。ヒゲが生え、骨の中身は詰まっていて、体温は哺乳類並み。

鳥の特徴をほぼ全部捨てて、哺乳類のように進化したキーウィ。

「名誉哺乳類」という称号は、皮肉ではなくリスペクトです。

ニュージーランドという、哺乳類がほとんどいない島で、
鳥が哺乳類の役割を引き受けた。

それがキーウィの正体です。

飛べない鳥シリーズ、まだまだ続きます。

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